2015年度 春合宿①

一億総活躍社会 ~農林水産業~


 2月9日、国立オリンピック記念青少年総合センターにて、グループAの事前学習が行われました。 グループAで学ぶテーマは、「希望を生み出す強い経済~GDPを戦後最大600兆円へ~」です。今回は、今西によるファシリテーション形式で、このテーマに関する日本の現状と今後の展望を考察しました。

一億総活躍社会 ~第1の矢~


 アベノミクス第一弾で15年間にわたる不景気に歯止めをかけたとして、政府は第二弾として「一億総活躍社会」の実現へと動き始めました。「一億総活躍社会」とは、50年後も人口一億人を維持し、国民皆が生きがいを持ち、充実した生活を送ることのできる社会のことを指します。この社会を実現させるため、新たに新・3本の矢が掲げられました。その中でも、グループAは第1の矢「希望を生み出す強い経済」に焦点を当てています。第1の矢は、アベノミクス第一弾における3本の矢(大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略)を集結させたもので、一億総活躍社会を経済の面から支えるものです。

農林水産業の衰退


 人口を確保し、労働力が増えたとしても、東京一極集中を是正しなければ、日本は衰退の一途をたどるでしょう。ここで重要となるのが、地方の安定した雇用を創出することです。そこで、グループAでは農林水産分野に焦点を当てていきます。きつい、汚い、儲からないといったイメージや、初期投資が高いなどの理由から、農林水産業は若者の職業の選択肢から排除されています。また、産出額は年々減少傾向にあり、労働者の低所得化や高齢化が進行しています。

農業の現状


 農林水産業市場の5兆円に対し、農業市場は4.7兆円と大きな割合を占めています。そのため、まず政府は、農業市場を伸ばそうとしています。現在は政策として、企業応援パッケージや農林水産業・地域活力創造プランが行われていますが、それでも収入の不安定さによる就農者不足、経営知識を持つ人の農業離れは止まるところを知りません。

所感


 日本のこれからを考える上で、都市への一極集中は無視できない問題です。しかし、地方の雇用条件に魅力を感じなければ、若者が上京したいと考えるのは仕方がないことだと思います。現在の若者には、農林水産業分野を、将来の職業の選択肢の一つとして捉える機会が不足しています。自分の将来を考える中で、真剣に農業と向き合うきっかけが持てたならば、若者の意識は現在とは異なるものになるのではないでしょうか。今回の事前学習で学んだことをもとに、「勉強会」「リフレクション」を通じて、さらにこのテーマについて理解を深めていきます。グループAではこの後、博報堂ショッパーリテールマーケティング局の勝又多喜子氏にご講義いただき、女性農業者という立場から農業世界について考える機会となりました。

                                                       文責:古川美紀子