2015年度 第2回フィールドワーク

@チームラボ

 9月30日、2015年第2回フィールドワークとして、水道橋にあるチームラボに企業訪問を行いました。今回は、第1回定例会で扱ったテーマ「スマホ社会の光と影」から、さらに一歩踏み込み、アナログとデジタルに主眼を置き、デジタルアート展やアプリ開発を行っているチームラボを見学しました。そして、デジタル社会の潮流に乗る企業内部や、クリエイティブな企画を生む企業体制等を学ぶことを目的としました。

チームラボ Technology×Creative


 水道橋駅から徒歩5分。東京ドームシティーを中心として、活気に満ちている都市から少し歩き、東接本郷ビルの4階から7階にあるチームラボへ向かいます。

 エレベーターを降りると、ビビットな黄色の壁に囲まれた大きなモニターが現れました。これは「FaceTouch」といい、社員皆さんの写真一覧から呼び出したい人をタッチすれば、その人とコンタクトが取れる仕組みとなっています。デジタルの最先端をいきなり目の当たりにした興奮を抑えながら、企業内部へ進みました。 

 まず、人事担当の方から企業説明をして頂きました。チームラボは「何を作っている会社ですか?」と聞かれると、一言では説明できない会社です。Art、Product、Solution、Architectの分野に分かれ、Solutionの一つであるweb・アプリ制作が会社全体の仕事内容の多くを占めているそうです。業務形態としては、クライアントからの要望に、チームラボが答え、メンバーが集まり、チームとなりアウトプットを行っているそうです。チームラボの社員数は、現在では約400名と、現在大きく成長を続けている企業です。また上海、台湾等に海外支社を構えています。

 

クリエイティブな作品の数々


 次に、チームラボの作品の紹介が動画にて行われました。 

 まずは、新江ノ島水族館にて現在開催されている「えのすい×チームラボ ナイトワンダーアクアリウム2015」について紹介されました。これは、水族館にプロジェクションの技術が施されたもので、優雅に泳ぐ魚たちをスクリーンにして咲き誇る花々は、幻想空間そのものでした。

 またチームラボは、ただ作品を提示するだけではなく、参加型の作品が多いことも特徴の一つです。香川ウォーターフロントフェスティバル2014においては、噴水をスクリーンに見立て、参加者がスマホで魚釣りを楽しめるイベントが開催され、遊んでいる子供たちの笑顔が非常に印象的でした。

 次は、現代の生活の一部となっているスマホには欠かせない「アプリ」の紹介が行われました。クロスカンパニーの商品をレンタルできる「メチャカリ」、無印良品の「MUJI to Sleep」等のアプリについての説明を受けました。

 さらに、実際に企業に置かれている作品も見学しました。「チームラボハンガー」は、ハンガーを手に取ると、目の前のモニターにその洋服のコーディネートが提案される仕組みになっています。また「Nirvana」は伊藤若冲の表現方法をモチーフに、ピクセルアートのようなデジタル絵画として、壁一面に大きく飾られていました。そして他にも、100年かけて完成していく「百年海図巻」や、Facebookと連携している「teamLabCamera」など、想像するだけでワクワクするデジタル作品を多く体験しました。

質疑応答


 質疑応答では、企業内にある家具についての質問が出ました。自由かつ即座にアイデアが出せる「めもですく」や、パーテーションにもなる「ブロックチェアー」については、誰かのニーズに応えるというよりは、自ずと「欲しいな」という想いから考案されたそうです。    

 また、チーム構成についての質問も出ました。エンジニアは案件の規模によって変わるそうですが、主にカタリストや、デザイナーなどのチームが一体となり、様々なクライアントの要望に応えているそうです。企業名にも使用されている“チーム”はチームワークが重要なものになってくるため、コミュニケーションをかなり重視しているというお話も伺いました。

所感


 まさに日本技術の最先端であるチームラボは、デジタル社会を先導していく企業であることが分かりました。さらにチームラボは、ただ商品を提供するだけではなく、インタラクティブな要素を取り入れることで、新しいモデルをどんどん展開しています。スマホを含め、デジタル社会には様々な長所もありますが、同時に短絡的な思考に陥りやすいという短所があることは変えられない事実です。どのようにして、その欠点をカバーしていくのかが試されている現代において、チームラボのようなクリエイティブを生み出すことは、非常に大切なことであり、今後の日本にとって重要な要素となることは自明なことだと感じました。デジタル化が進む現代の社会が、より良くなるよう、日々の生活でも多角的な視点と柔軟な思考を培っていきたいと感じました。



文責 三戸彩歌