2017年度 第5回フィールドワーク

Coca Cola bottlers Japan株式会社 多摩工場


 11月27日、第4回テーマ「フードロス~日本社会の豊かさの裏側~」に関連して、Coca Cola bottlers Japan株式会社 多摩工場の見学を行いました。今回のフィールドワークでは、効率よく無駄なく食品を製造している現場を見学し、ロスの少ない社会を考えるきっかけとしました。

コカ・コーラについて


 コカ・コーラの起源は、1886年にアトランタの薬剤師John Stith Pembertonが開発した、独特の甘い香りがするシロップにさかのぼると言います。日本に上陸したのは1910年のことです。やがて日本でも人気が沸騰し、現在では200以上の国で1日あたり19億杯以上飲用されています。コカ・コーラはカラメルのみによって着色されており、誕生以来、保存料と合成香料は使用されていません。

 多摩工場では、コカ・コーラの他、綾鷹やジョージアなどのお馴染みの商品が製造されていました。1963年に竣工したこの工場は、敷地面積7.4 haで、約290名の従業員が勤務しているとのことです。

製品の製造工程について


 見学の当日は、飲料を容器に詰めている様子などが見学できました。一部の機械は稼働しておらず、その部分は稼働時の様子を収めた映像を視聴することとなりました。その他、設置されているパネルの内容について説明を受けました。それぞれの商品の製造工程において、安心かつ安全に飲用できるように、また環境への負荷を最小限にするためにさまざまな工夫がなされていることが分かりました。

 商品の製造工程は大まかに次のようになっていました。まず始めに水が「磨かれ」ます。これは商品に使用される水の成分をどの工場でも同一にするためのもので、水道水に含まれる臭いや塩素などを取り除く作業だそうです。その後、酸素を除いたのち決められた量の原料が容器に充填されて、殺菌、賞味期限などの印字、ラベルの貼り付けなどが行われます。そして、質量検査を行って規定通りの量になっていることが確認されると出荷されます。

環境に配慮した取り組み


 ペットボトル飲料に関しては特記すべきことがあります。工場に運ばれてくるのはPET樹脂でできたプリフォームと呼ばれる硬いペットボトルの原型で、見慣れたボトルの姿ではありません。プリフォームを100℃に加熱して膨らませることでペットボトルが完成します。ボトル詰めの現場まで小型な状態で運搬することで、エネルギーを節約することが可能となっていました。

 廃棄される容器は何らかの形で再利用されているそうです。例えばスチール缶は鉄骨に、ビンは粉砕されて新たなビンの原料となるそうです。レジン、フレーク、ペレットという3形態の樹脂が置かれ、ペットボトルに関連するこれらの樹脂を実際に触って理解を深められるようになっている見学コーナーがありました。 

所感


 工場では、機械を用いて非常に効率的に作業が行われていました。また、製品の品質や従業員の安全性も確実に保たれるように工夫されていることが分かりました。効率化や環境負荷を抑えるための様々な取り組みが印象に残りました。

 

文責 荒井智慶