2010年度 公開イベント

Create the Next Society!! 第1弾~政治編~


 11月7日日曜日、新宿ロフトプラスワンにてFront Runnerとしては初の一般公開イベントとなる「Create the Next Society!! 第一弾 ~政治編~」が開催された。


今回のイベントは、弁護士の升英俊氏によるご講演と、衆議院議員の平将明氏とのディスカッションの2部で構成され、非常に実り多い会となった。

第1部「One Person One vote」 ―1人1票実現を目指して―


 第1部では弁護士の升永英俊氏より「One Person One vote」と題して、一人一票実現に向けた取り組みをご講演をして頂いた。

 

 まず講演の冒頭、参加者ら全員で自分の住む地域の「一票の価値」を一票チェッカー(http://www.ippyo.org/checker.html)でチェックし、一人一票実現のバーチャル投票を体験した後、升永先生による講演がキックオフした。


  講演の中では、北海道や東京などに住む人の一票の価値の低さを例に挙げ、「非常に不条理だ。」と話した上で、「代議制民主主義は入り口と出口の2つがあり、入り口は国民が直接投票によって当然統制できるが、出口もまた国民の手でコントロールできる。すなわち、入り口が投票権、出口が国民審査権なのだ。今の投票制度は入り口が間違っている。本来ならば多数の国民が多数の国会議員を選べなければならない。しかし、現状は少数の国民が多数の国会議員を選んでしまっている。」という見解を示し、「その議員たちが行政・司法・立法の長を決める。まさに負の代議制だ。国民は出口でしっかりと国民審査権を行使し、最高裁判事を信任・不信任することが重要。」と述べた。

 

 また「<一票の格差>という言葉はもう使わないほうがいい。それは議員一人当たりの人口格差であり、新聞やテレビで知るだけで他人事のように終わってしまう。」とし、この一人一票問題を国民一人ひとりの問題であることを力説された。


 講演の最後には自身の努める「一人一票実現国民会議」について、「この運動は慈善事業でなければ自己満足でもない。必ず実現できる。自分の手で掴み取る、それこそが民主主義だ。」とし、参加した学生たちにtwitterなどで世論を形成するよう呼びかけた。

 

第2部ディスカッション ―日本のこれからを考える―


 第2部では、衆議院議員の平将明氏と参加者らで4つのテーマをディスカッションした。

 

 まず、雇用関係の悪化について、平議員は「構造的な問題であって景気の循環ではない。かつては景気の悪いときだけ政府が手出しをすればよかったが、今では グローバルな競争環境で状況は変わってきた。こうした変化についてどうやって対応するかという、ひとつの解決策が構造改革だ。」との見識を述べた。また「来年も再来年も雇用状況が大幅に改善することはない。」と断言し、会場は落胆の声が漏れた。

 

  次に世界の中の日本というテーマでは、かつて世界の16%を占めていた日本のGDPが2030~2040年には6位 転落となるというデータを示した上で、人口減少・高齢化・グローバル競争への遅れが今後の経済成長を阻害しているとし、今後TPPに参加することは好まし く、国同士好き嫌いとかではなく、積極的に国を開き、関税等の通商条件を世界にそろえていかなければ日本の未来はないという見解を述べた。

 

 また、「TPPと農業」に関する学生からの質問には、「農 業がTPPの中で生き残るためには、①農業の大型化・コスト削減②極めて高価なものを作る、この2つでしかない。またそのために政治は①担い手の新規参入 の規制緩和②農地の流動化の規制緩和という役割を果たすべきだ。」と持論を展開し、「さらにはそういう担い手にのみ税制補助すればいい。」と現在の民主党 の掲げる農業政策を強く批判した。

 

 第1部の講演と関連し、議員定数是正についてもご意見を伺ったところ、「絶対に都道府県ごとに議員を選出することが必要だとは思わない」と述べ、是正に前向きな発言をされた。


 最後に行われたフリーディスカッションでは、「観光立国としての今後の日本のあり方」や「民主党政権誕生前後から今後の政局事情」などさまざまな質問が学生からなされ、活発な意見交換が行われた。


 このイベントを皮切りに今後もFront Runnerでは一般公開型のイベントを行う予定であるので、どうぞお楽しみに!


 最後に、講師の先生方、ご来場者の皆様、どうもありがとうございました。