2013年度 春合宿

人口減少社会を考える ―安定して成長できる社会を目指して―


2月4日から6日の2日間、国立オリンピック記念青少年総合センターにて2013年度春合宿を行いました。普段の定例会の集大成として位置づけられる春合宿では、今年度はテーマを「人口減少社会」と設定し、講師の方をお呼びしての勉強会やディベートを通して、安定して成長できる社会のあり方を模索しました。


1日目


 201424日、待望の春合宿が幕を開けました。オリンピックセンターに集合後、9時半から株式会社ビー・スタイル代表取締役社長 三原邦彦様による勉強会が行われました。勉強会についての詳しい内容はこちら

 

 全体挨拶を澄ませ、これからの宿泊にむけて生活ルールの説明があった後、班ごとに役割や立論の確認などディベートの最終準備をして、皆で昼食を食べました。

 

 昼食を終え、13時より株式会社パソナテック代表取締役社長 吉永隆一様による講義が行われました。講義についての詳しい内容はこちら

 

 夕食後は19時から野村総合研究所顧問かつ東京大学公共政策大学院客員教授の増田寛也様による講義が行われました。講義についての詳しい内容はこちら

 

 21時からは翌日のリフレクションのための全体準備をし、就寝しました。

2日目


 10時から、いよいよディベートです。

 

 今回の大きなテーマは「日本のこれから」。労働力減少という課題に焦点をあてて、「日本が今後安定して成長していける社会」を理想とします。各班がその理想を実現するための施策を提示し、その案の是非を議論する形でのディベートを行いました。春合宿に向けて肯定班、否定班ともに2か月間かけて準備をしてきました。 

 

 普段の定例会の集大成である春合宿の趣旨は自分で考える力、そして批判する力を養うことです。本番では「ふたりっ子政策導入移民導入」、「産業特区の設置潜在的労働力の活用」、「罰則課税導入対職場環境の改善」で試合をしました。どれも白熱したディベートとなりました。(詳しいディベート内容は、各リンクをクリックしてください。)

 

 今回のディベートを通して、日本の将来について多角的な視点で考えられただけでなく、チームワークの取り方やスピーチの仕方も学ぶことができました。

 

 夕食後は19時から日本交流センター執行理事である毛受敏浩様による講義が行われました。春合宿最後の講義です。詳しい内容はこちら

 

3日目


 最終日の3日目、まずは学習企画「フェルミ推定」が行われました。推定したいテーマについて論理立てて概算することをフェルミ推定と言います。自分の頭で考え、そして論理的思考を作り上げていくという春合宿のテーマを踏まえており、フェルミ推定により数字を用いたより論理的な筋道立てが可能になります。

 

 今回は、61組になって実践しました。その後、2つの班で合体し発表しディスカッションを行い、更にもう一問推定し、班ごとに発表、全体から質問・問題点・改善点を募りました。推定した数字の正しさではなく、自分なりのロジックにより論理的な思考を行うことを重視しており、いかに多くの要素を推定に反映できるかが重要です。批判的な物の見方も身につくことも期待できます。

 

 昼食後は、春合宿中で行った勉強会についてのセルフディスカッションを行いました。個々人が各々の意見を持って話し合い、同じ争点に対しても様々な解決方があるのだと身を持って体験することができました。

 

 休憩をはさみ、もう一つの学習企画が行われました。自分が社会で何をやりたいのかを「ライフワーク」、どうお金を稼ぐのかを「ライスワーク」として、130分間にわたる学習企画を通じてサークル員がどのような問題意識を持っているのか、そしてそれが将来どのような仕事につながりうるのかを考えていきます。参考にしたのは20134月から現在に至るまで定例会にお呼びした講師の方々です。

 

 グループワークで議論を重ねて再考の時間を経た後に、社会に出た時に何をしたいのか各々に選択し、ランダムで指名して発表しました。そして実際にそれを行うに際してどのように生計を立てていくのかを調べ、再び議論を介してライフワークとライスワークのズレを踏まえて再検討していきましたライフワークとライスワークの関係性を考えるきっかけ作り、そして「自考力」を見につけることを目標とした春合宿の締めくくりとしては最適な企画でした。

 

 4人の講師による講義を通して知識を深め、様々な学習企画で実践して学ぶ。ハードなスケジュールではありましたが、集中的に勉強する実の詰まった3日間となりました。受け身ではなく能動的に動き、どうやったらよりよい未来を作れるか考える。素敵な大人への第一歩を歩めた気がします。

 

文責:鎌田明里