2015年度 第1回フィールドワーク

@青山ファーマーズマーケット


 8月8日、2015年度第一回フィールドワークとして、青山の国連大学前で毎週末に行われている青山Farmer’s Market@UNUを訪問しました。

 今回のフィールドワーク先では、Front Runnerのサークル員が、サークルとは全く別のゼミ活動を通じて、富山県南砺市利賀村の農家の方と協力して出店していました。定例会で扱ったテーマ「若者の政治参画と選挙制度」と関連させ、大学生という立場から社会と関わりを持ち、実際に出店という形まで漕ぎ着けた先輩方の活動を目の当たりにすることで、若者が社会に参画することをより間近に感じることを目的として行われました。

青山Farmer's Market 全国各地から集まる「よい食事」


 Farmer’s Marketは、「『よい生活』は『よい食事』から。」を合言葉に毎週末開催されています。日常茶飯事という言葉に代表されるように、食事は毎日の生活に欠かせないもの。何を食べるか、誰と食べるか、どう食べるか、食事とは共に食事を摂る人との関係を円滑にしたり、自らの心の休息になったりと、私たちの体と心を作り、生活の支えとなります。

 しかし、その食事はどこから来ているのでしょうか、食事の源は誰が作っているのでしょうか。いつからか私たちはそんなことを考えなくなってしまいました。あるいは、考えても作り手との繋がりがなく、答えが見つからない時代となってしまいました。

 Farmer’s Marketは「”いい食事”を育み、それを通じて生活を考える場」として、全国各地の農家の方と都会の消費者を直接繋ごうとする試みを、毎週末のマーケット開催を通じて取り組んでいます。

 Farmer’s Marketに到着した午前10時。ちょうど販売が開始される時間で、開催者から全体向けの連絡が行われていました。「今日も遠いところから出店ありがとうございます。本日、真ん中のブースでは北海道から4種類のとうもろこしが届いています。出店されているみなさんもよろしければ是非、味見をしてみてください。」渋谷駅徒歩10分程の大都会で、北海道の新鮮なとうもろこしを味わえる。尚且つ作り手の農家の方が目の前にいる。早速、Farmer’s Marketの魅力に圧倒される瞬間でした。

 販売開始から5分も経っていないにも関わらず、辺りは盛況です。沖縄県の宮古島で育まれたハーブ、神奈川県で栽培されている採れたての野菜、「太陽」という名の瑞々しいプラムなど、各出店ブースには美味しそうな食材が立ち並びます。各ブースに立ち寄れば、農家の方と一対一で話すことができます。「これはどこで採れたの?」「どうやって食べればいいの?」など、「食」を共通の話題にして、初対面にも関わらず話が自然と広がります。これこそが食の持つ力なのかと、改めて感じました。

富山県南砺市利賀村×慶應義塾大学トガプロ


 サークルの先輩が取り仕切る、利賀村の農家の方の出店ブースを訪れる機会もありました。整然と並ぶシンプルな瓶に、おいしそうな山菜がぎゅっと詰め込まれています。実際に利賀村の農家の方ともお話しをさせて頂きました。農家の方は、「住んでいる場所柄、こういった都会で開催されるマーケットの存在を知ることなど絶対にない。トガプロの皆さんが存在を知らせてくれて、共に準備を重ねて、今こうして出店まで辿りつけた。新たな一歩を踏み出せていることが本当に嬉しい。」とおっしゃっていました。実際に、先輩方が社会と関わりを持ち、農家の方と共に新たな取組をしている姿を目の当たりにして非常に勉強になると同時に、自分たちでも社会と交わる行動を起こすことは不可能ではないのだと実感しました。

 今回のフィールドワークは、定例会で扱ったテーマである「若者の政治参画と選挙制度」と関連させながら開催することができました。定例会では若者が政治に参画しない、そもそも社会に関心がないといった問題を中心的に扱い、どうすれば若者が社会に関心を持ち、政治に参画するようになるのかについて議論しました。実際に今回のフィールドワークを通して、社会に感心を持つことや社会と関係を築くことは、それほど大それたことではなく、今回のFarmer’s Marketで言うと「食」という観点から人々が繋がっているように、些細な出来事がきっかけとなるのかもしれません。「選挙」「政治」という言葉が並ぶと、どうしても固く感じてしまいがちですが、今回のフィールドワークで学習したことを忘れず、柔軟な発想を持って行動を起こしていきたいと感じました。



文責:宮田巧