2013年度 第3回フィールドワーク

農業体験@群馬


 92日、2013年度第三回フィールドワークとして群馬県高崎市へ農業体験に行きました。


 今回のフィールドワークは、定例会で扱ったテーマ「日本の農業と食」と関連させ、農業の現場を訪れることで、日本の農業の現状について体験的に学習することを目的として行いました。

農業体験


 午前中は雨の切れ間を縫ってキャベツの苗を植えさせていただきながら有機野菜を育てている農家の方の熱い思いを聞きました。目の前で摘み取ったアスパラを少し皮をむいて生のまま頂きましたが、生とは思えないほど甘く、みずみずしくてとても驚きました。


 その後公民館にて、福島で米農家をやっている方の原発事故の影響についてのお話を聞きました。実際に生の声を聴いたことで事態の深刻さ、行政の対応などについてとても考えさせられました。

そして最後は農業に様々な形で携わる方と昼食をとりながらの交流会に参加させて頂きました。その交流会で出された料理の多くは、参加者の農家の方々が育てた作物を持ち寄ってくださり、それを使って作られたもので、大変おいしくいただきました。


所感


 日本の農産物は海外に比べて高いため品質で勝負だということをよく聞きますが、私は実際にスーパーなどでその品質の違いを消費者にしっかりと訴えられるのかなと個人的に不安に感じていました。ですが、今回お世話になった農家の方のように品質、味に絶対の自信があれば、消費者に確認してもらったうえで直接契約するという方法をとれば強いのだなと気づきました。このことはもしかしたらごく当たり前のことなのかもしれないですが、都会育ちで野菜はスーパーで買うものだという認識のあった私達には驚くべき発見でした。


 このように、まず生活にゆとりのある人に対して国産農産品を売っていけば、メディアが報じているような日本の農業の衰退はしばらくないのではないかと感じました。むしろ、今回の交流会で出会った方のように外部に情報発信しながら、強い情熱をもって農業に向かっている方々がいれば日本の農業を守るというよりも、日本ブランドとして海外に発信していけるという確信も感じました。また、そうした中で無農薬、有機栽培というのはとにかく雑草や虫との戦いで、言葉で言うよりずっと大変なことだなとも、お話を聞いていて感じました。

 

 TPP交渉などで最近農業が話題に上がることが多くなり、後継者不足で高齢化が進むなどネガティブな面がクローズアップされがちです。しかし、今回実際の農業の姿を見て、農家の方々のエネルギッシュな側面を知ったことはとても貴重な経験でした。今回のフィールドワークを通して、これからも私達は日本人としてもっと日本の農業に誇りを持てると確信しました。

   

文責:林虹香